『夏鈴と詩織お姉様(4)海と浜辺とお姉様!』

 電車を降りて駅を出て、小さなショッピングモールを抜け
ると、眼前にサーッと青い海が広がった。
「お姉様! 詩織お姉様! 海ですわ! 海!」
 山崎夏鈴は思わず歓声をあげ、詩織の左腕にギュッと抱き
ついた。
 もちろん、途中の電車からも海は見えたのだが、こうして
実際に目の当たりにする青い海の美しさは格別で、いやが上
にも心が躍ってくる。
「どう、夏鈴? なかなかいい街でしょう?」
 腕にしがみついてはしゃぐ夏鈴に、お姉様──藤崎詩織は
メガネの下の澄んだ瞳で笑いかける。
「ええ、お姉様。ほんとうに」
 夏鈴も満面の笑みで、腕にしっかと抱きついたまま詩織の
顔を見あげた。
「青くて綺麗な海。静かな林。落ちついたシックな雰囲気の
街並み。これこそまさに大人の休日を過ごすのにふさわしい
場所ですわ。はぁ〜♪」
 夏鈴はウットリとした表情で、少し赤くなった頬に片手を
添えて軽く吐息を洩らした。
 いささか古風なおもむきのある西洋建築の多い街並みは上
品で知的で、それほど有名な保養地ではないことが逆に大人
の隠れ家的な雰囲気をかもし出し、見栄っぱりな夏鈴の心を
大いに満たしてくれるのだ。
 それでなくても、この連休は詩織の家の別荘に招待されて
ワクワク気分なのである。
 その別荘地が予想以上の素敵な場所だったことで、夏鈴の
盛りあがりは早くも最高潮に達しかけていた。
「ふふふっ。今からそんなにはしゃいでいたら、身がもたな
いわよ。三泊四日なんだから」
「い、いやですわ。お姉様。わたくし、はしゃいでなどおり
ませんわ。ホホホホッ!」
 夏鈴はあわてて詩織の腕から離れると、引きつった頬に手
をあてて高笑いする。
 とにかく、見栄っぱりな性格なのである。
 このくらいの年ごろは一般的にも子供っぽく見られるのを
嫌うものだが、夏鈴は特にその傾向が強い。
 名門女子校カトレア女学院の中等部三年生に在籍している
夏鈴だが、学年でも一〜二を争うミニマム体型なうえ釣り目
気味とは言えやや幼めな顔立ちもあって、小学生に間違えら
れることも少なくない。
 むやみと人の上に立ちたがり、口を開けば必要以上に尊大
になるのは、その反動と言えるかもしれない。
 もちろん夏鈴本人にはそんなつもりはないのだが、良家の
お嬢様で言葉づかいが丁寧な分、かえって高飛車っぷりが引
きたってしまうのである。
 根拠はなくても自信満々。小さな体に大きな態度。
 黙っていればツインテールのミニマム美少女なのだが、用
が無くてもしゃしゃり出ては、実力不足でやらかしてしまう
ことで学内でも有名人だった。
 もちろん、本人はやらかしたなどとは思っていない。
 夏鈴のもうひとつの病。それが妄想癖だった。
 ものごとを自分の都合のいいようばかりに妄想し、失敗の
可能性など考えない。
 本当は分をわきまえさえすれば、中の上くらいの才覚はあ
るのだが、妄想がそれを飛びこえてしまっているあたり残念
な美少女と言えよう。
「ま、いいわ。まだ時間はたっぷりあるんだから、のんびり
と楽しみましょう。ふふふっ」
 軽く笑うと、詩織はメガネを指で持ちあげた。
 夏鈴の性格は、すっかりお見通しなのである。
 夏鈴のお姉様である詩織は、カトレア女学院の高等部二年
生。成績はつねに学年一位であり、生徒会の役員もつとめて
いるシャープでクール才媛として知られている。
 公の場での校則違反などには厳しいため恐れられている部
分もあるが、その実力と冷静さ、そして凛々しさには秘かに
ファンクラブもある。
 夏鈴もある出来事をキッカケに詩織にひと目惚れし、それ
からしばらくカメラ片手に追っかけていたのだが、半月ほど
前に『妹』として認められたのである。
 カトレア女学院では『お姉様』は特別な存在だった。
 ここでは特に親しい者だけが上級生を『お姉様』と呼ぶこ
とが許される伝統であり、素敵なお姉様の『妹』になること
は下級生にとって大きな憧れなのだ。
 ある種のステイタスと言ってもいいだろう。
 しかし、実際にはお姉様にふさわしい上級生はそう多くは
なく、妹の地位を得られる下級生も限られている。
 そんなワケで、夏鈴もこの春まではクラスメイトがお姉様
と親しくしている姿を、涙目で見つめていたものだった。
 だが、屈辱と忍従の日々は終わった。
 詩織に妹として認められ、そして今度は連休に別荘に招待
されたのである。
 夏鈴が自重したくてもできないのも、当然と言えよう。

 (サンプルにつき中略)

 突然、詩織が背中越しに夏鈴の胸に手をふれた。
「にゃああっ! おっ、お姉様!?」
「この可愛い水着も、夏鈴にはよく似合ってるわね。薄い胸
には特に……ね」
 そう言いながら、詩織はペタンコの胸をおおう三角形の布
を両手でサワサワとまさぐる。
「ひゃっ! やっ、やっ、やんやんっ!」
 乳首のあたりに、詩織の指がふれた。
 水着の上からとは言え、そこは夏鈴にとってかなり敏感な
ところである。
「やぁぁんっ! 詩織お姉様! やめてくださいませ!」
 詩織の指が走るたびに乳首にゾクゾクッとした淡い快感を
感じ、夏鈴は細い体を小さく震わせた。
「…んっ…はっ……やぁっ! あっ、あぅんっ!」
「夏鈴はほんとに、ココが感じやすいわね」
「そ…そんなっ…。お姉様。こここっ…こっ…こんなところ
でいけませんわ!」
「あら? どうしていけないの? ふふふふ…♪」
 詩織はわざとらしい笑みを浮かべる。
 完璧な秀才とも呼べる詩織だが、じつはちょっとした悪癖
があった。
 オフィシャルでは校則などに厳しいが、プライベートでは
エッチなことが好きで、しかもちょっぴり(?)サディスト
の気もあったりするのだ。
 本人いわく『公共の場では厳しくても理不尽な締めつけは
していないし、他人のプライベートにも決して口は出さない
主義』とのことで、自分のプライベートのほうもかなり自由
なのである。
 そもそも夏鈴が詩織の『妹』になったのも、ひょんなこと
で部屋に呼ばれ、エッチをされてからなのだ。
「どうしてって…。そんなの決まってますわ! ひっ、人が
見てますわ! お姉様!」
 夏鈴の頬が、さらに赤くなる。
 数が少なく全体的にまばらとは言え、ここはまがりなりに
も浜辺なのだ。
 これまでは詩織の部屋とか人の来ない書庫とか一種の密室
だったが、ここには他の人間がいるのだ。
 夏鈴が焦るのも当然である。
 だが、困ったことにというか残念なことにというか、詩織
はまったくおかまいなしだった。
「そんなに騒がないの」
 詩織の手が、夏鈴の口をスッとふさいだ。
「むぐ☆」
「だいじょうぶよ。遠くから見てるぶんには、何をしてるか
なんて分からないわ」
 そう言って、詩織はニヤッと笑う。
「アナタが変な声を出さなければ…ね。ふふ♪」
「う…うぅ〜……」
 ふさがれた口から、夏鈴は小さなうめき声を洩らした。
 こうなってしまうと、詩織を止める手だてはない。
「ふふふっ。だいじょうぶ。脱がせまではしないから、安心
しなさい」
「ぬぬぬぬ脱がされたらたまりませんですわっ!」
 夏鈴はあわてて、両手で胸をおおった。
 もはや羞恥プレイの世界である。
 恥ずかしさで顔だけでなく体中がカッカと火照り、熱い汗
が肌にじんわりと浮きだしてくる。
「あら。だいぶ汗をかいてきたわね。そろそろ感じてきたか
しら?」
 詩織は汗でしっとりと湿った肩や腕を撫で、それからまた
三角布の上から薄い胸を優しくまさぐる。
「どうなの? 夏鈴?」
「…はっ…あっ…はふっ……。そ…そんな…。やめて…くだ
さいませ……あぁんっ……あんっ…くうっ…!」
 なんとかして詩織の指の感触を我慢しようと夏鈴は全身を
固くするが、敏感な乳首の周囲を擦られるとジンジンと快感
が走るのを止められない。
「我慢しなくていいのよ、夏鈴♪ ほらほら♪」
「くんっ! んっ…んんーっ…!」
 背すじにゾクッときた瞬間、夏鈴はあわてて左手を口元に
当て、今度は自分の人差し指で唇をふさいだ。
「……んふっ…んっ………んんっ…は……ふ…!」
 汗を浮かべた赤い顔で、声を押し殺そうとする夏鈴。
 しかし、そんな夏鈴の努力もむなしく、詩織の指はさらに
動いて胸全体を愛撫する。
「ふふふふっ。大きな声を出さなければ、イッてしまっても
いいわよ♪」
 無茶なことを言いながら、詩織は左右の中指を立てて水着
の上からふたつの乳首を同時にくすぐった。
「ふあぁあっ! お姉様ぁっ、ダメぇーっ!」
 夏鈴は思わず口から手を離し、詩織の両腕をギュッと掴ん
で身震いする。
「そんなっ…そんなにいじっちゃ…! やぁんっ! こんな
ところでなんて……あっ…あっ……ああぅっ!」
「夏鈴、乳首が固くなってきたみたいね」
「ちっ……ちがいますわ!」
「ふふふっ。なら、たしかめてみましょうか?」
「…え?」
 その瞬間、詩織の手が今度は水着の中に入ってきた。
「きゃあっ! お、お姉様ぁっ!」
「ふふふ…。やっぱりね。コリコリしてるわよ」
 詩織は愉しそうに言うと、人差し指と中指を使って水着の
下の微かな膨らみ──乳房と言うより微乳だ──にツンッと
尖ってきた乳首を挟み、キュッキュッと締めつけた。
「うぁっ、あんっ、ああんっ! 詩織お姉様! い…いじら
ないでくださいませ! うっ…くっ…くぅうんっ!」
 背中越しに胸をいじる詩織の腕を両手で掴み、夏鈴は身を
のけ反らせた。
「あっ…あふっ…! や、やんっ! はあぁっ!」
「そんなに声を出していいの? 夏鈴?」
「あううっ☆」
 夏鈴はあわてて、両手で口を押さえた。

 (サンプルにつき中略)

「だいじょうぶよ。心配しなくても、ここのお風呂は広いか
ら二人ぐらいは余裕で入れるわ」
「お姉様ぁぁ〜〜〜っ!!」
 夏鈴はふたたび大声を出し、今度は立ちあがった。
 もはや涙目になりかけていた。
「ふふふっ。べつにいいじゃないの♪」
 ちょっと妖しい笑みを浮かべ、詩織が顔を近づける。
「それとも夏鈴は、私と一緒にお風呂に入るのはイヤなのか
しら?」
「にゃああっ☆」
 いきなりの急接近に、夏鈴の心臓が跳びはねた。
「あっ、あのっ! お姉様!」
「なぁに?」
「お…お顔が……。お顔が近すぎますわ…!」
「仕方ないでしょう。メガネをかけてないと、よく見えない
んだから」
 風呂に入るのだから当たり前と言えば当たり前だが、今の
詩織はメガネをかけていないのだ。
「可愛い夏鈴の顔を、よ〜く見たいのよ。ふふっ♪」
「あ…あ…」
 詩織に見つめられた瞬間、夏鈴の背すじをゾクゾクーッと
快感が駆けあがった。
 ──ダメぇ…。この眼は…。
 普段の詩織はメガネをかけていて、その眼光も鋭い。
 だが、メガネを外したその向こうの瞳には、甘くとろける
光が宿っているのだ。
 じつを言うと、夏鈴が詩織にひと目惚れをしたキッカケと
いうのも、その光を見てしまったことだった。
「…詩織……お姉さま……」
 夏鈴はよろけるように、壁に背中をついた。
 詩織のこの魔性の瞳を見てしまうと、体中から力が抜けて
しまう。
 もう壁をささえに立っているのが、やっとの状態だ。
「さあ、夏鈴。もっと顔をよく見せて」
 赤い顔で小さく震えている夏鈴にさらに近づくと、詩織は
あごを軽く持ちあげた。
「あんっ…」
「せっかくだし、昼間のつづきをしましょうか。ふふ…ふふ
ふふっ…」
 詩織の唇が艶めかしく動いて笑うと、そのまま夏鈴の唇に
スゥ〜ッとかぶさる。
「…あっ…おねえさ……。んむっ…むっ……んふっ…ん…ふ
うう…んっ…」
「ふふふっ♪ んんっ……んっ…んーっ…」
 片手で夏鈴の頬を抑えながら、詩織は柔らかく唇を動かし
て甘く吸う。
「んんーっ。んっ、んっ」
「ふぅ…は……んん…。む…むんっ…んふっ…ふ……」
 唇を吸われながら、夏鈴は時おり小さく息を洩らした。
 頭の中がだんだんとボヤけてくる。
「ふふっ。ごちそうさま」
 長いキスが終わり、詩織の顔がゆっくりと離れた。
 それと同時に、夏鈴は大きく息を吐きながら、浴室の濡れ
たタイルの上にズルズルとへたり込んだ。
 もう体はぐにゃぐにゃで、顔も真っ赤に染まっている。
「…は…はふ……はあぁっ…あふ……ふにゃああぁ〜…」
「あらあら。夏鈴たら、もうこんなに汗かいちゃって」
「だ…だって…」
「いくら汗かいてもいいわよ。あとできれいに洗ってあげる
から♪ ふふふふふっ♪」
「お姉様ったら…。うぅううぅ〜〜…」
 夏鈴はじと目で詩織を見あげた。
「そんなこと言って……。い、いつもエッチなことをなさる
んですから…」
「そうよ。こんな可愛い仔猫ちゃんを前にして、何もしない
ワケにはいかないでしょう?」
 詩織は愉しそうに答える。
「アナタだって、トロけそうな顔をしてるじゃないの」
「う………。それは……その…」
 夏鈴は思わず詩織から目をそらした。
 そう言われてしまうと、反論のしようがない。
 頭と体がカッカと熱くなっているのは、決して浴室にいる
せいだけではない。
「いつものツインテールもいいけど、ロングの髪もなかなか
可愛いわね」
「そ…そうで…ございますか…?」
 詩織に面と向かって可愛いと言われ、夏鈴は羞じらいの色
を顔に浮かべた。
「ええ。ロングも似合ってるわよ」
 詩織は微笑みながら、夏鈴の腰まである黒髪にしなやかに
指を絡ませる。
 それから紅潮しはじめた肌に汗でペッタリ貼りついた髪を
優しくかき分けると、薄い胸の上で汗に濡れて息づく小さな
乳首をチョンと指で摘みあげた。
「あぅんっ☆」
 キュンとする刺激に、夏鈴は小さな声をあげた。
「い、いけませんわ。お姉様」
「あら、何がいけないの? 感じてしまうから?」
 ニヤッと詩織が笑う。
「じゃあ、こうするとどう?」
 乳首を摘んだ詩織の指がクリクリと動いて、まだ目覚めて
いない突起を転がしはじめた。
「あぁうっ! あっ、あっ、きゃうぅ〜っ!」
「やっぱり感じてる。ふふふ♪」
「やっ…やっ…やあっ! 詩織お姉様! そんなっ…やめて
くださいませ! はぁっ、ふあぁっ!」
 だが、やめてと言われてやめるような詩織ではない。
 何しろサディストなのである。
 むしろ調子に乗って、さらに夏鈴の乳首を巧みに転がして
責めたてる。
「ほらほら。どうなの?」
「ああっ…あっ…あっ……ひぃんっ! ダメぇ〜っ! くう
ううっ! ダメダメ! はっ…はふっ…ひいっ!」
 タイルの床に座りこんだまま壁に背中を強く押しつけ、身
を悶えさせる夏鈴。
 目覚めきってはいないとは言え、敏感な乳首である。
 そこを転がされると、熱い快感が胸だけでなく上半身全体
に駆けめぐる。
「お、お願いですわ、いじらないでくださいませぇ! ダメ
です! 詩織お姉様ぁ!」
「どうしてだめなの? 感じてしまうから? 正直に言いな
さい、夏鈴。言わないと、もっといじっちゃうわよ。ふふふ
ふふっ♪」
 詩織の指にギュッと力が入る。
「ひぃぃんっ!!」
 夏鈴は高い声をあげ、頭をビクンッとのけ反らせた。

                         CONTINUE

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